【トレンド】2024年度診療報酬改定 4月→6月への施行時期の後ろ倒しについて詳しく解説!これまでの診療報酬改定では、答申や告示から施行、初回請求までの期間が短く、医療機関やシステムベンダーなどに大きな負担がかかっていました。そこで、診療報酬改定DXの推進に伴う集中的な業務負荷を平準化するため、2024年度診療報酬改定より施行時期を2か月後ろ倒しにして6月1日に施行されることになりました。

診療報酬改定時期を2ヶ月後ろ倒しした場合のスケジュール(案)

改定時期後ろ倒しの背景

診療報酬改定時には、短期間に集中して医療機関やベンダー等がシステム改修やマスタメンテナンスなどの作業に対応するため、人的・金銭的に非常に大きな間接コストが生じます。

限られた人的資源、財源の中で医療の質のさらなる向上を実現するためには、診療報酬改定に伴う作業の一本化や、分散・平準化を図るとともに、進化するデジタル技術を最大限に活用して、間接コストを低減することが重要です。その実現に向けて、2024年度に次の取組が予定されています。

  1. 医療機関等の各システム間の共通言語となるマスタおよびそれを活用した電子点数表を改善して提供する
  2. デジタル化に対応するため、診療報酬点数表におけるルールの明確化・簡素化を図るとともに診療報酬の算定と患者の窓口負担金計算を行うための全国統一の共通的な電子計算プログラムである共通算定モジュールの開発を進める

 

診療報酬改定に関する答申のポイント(8/2開催 中央社会保険医療協議会総会より)

日本医師会常任理事 長島委員の意見
医療機関の費用負担軽減のためには、後ろ倒しで最も大きな恩恵を受ける電子カルテやレセコンのベンダーが保守費用やリース料などを大幅に引き下げるなど、目に見える形で確実に医療機関に還元する必要がある。この実現を担保する具体的な仕組みをつくるべき。
医療現場、医療機関に具体的にどのようなメリットがあるのか、それが患者さんに還元されるのか明確化し、丁寧に医療現場に周知するような取組を要請する。

→厚労省保険局 眞鍋医療課長の答弁
医科・歯科・調剤などの分野別の関係団体およびベンダーの方々へのヒアリングを行い、その中で費用低減分に関して着実に還元されるよう求めていきたい。


診療報酬改定にかかる作業完了後には、改定時期の後ろ倒しおよび共通算定モジュールの導入が医療機関やベンダーの業務の逼迫を改善し、負担の平準化や業務の効率化につながったか、そして費用低減分が医療機関や患者さんへどのように還元されたか、明確化されることが期待されます。

【参考資料】
・中央社会保険医療協議会総会(第551回)議事録資料 [医療DXについて(その2)]
医療 DX の推進に関する工程表 (令和5年6月2日 医療DX推進本部決定)

 

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M3DCメディカルライターチーム

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