Web講演会の視聴医師を増やすために~MRの工夫~現役MRが、実際に企画・運営したWeb講演会で視聴医師を100名(目標25人に対して400%達成!)集めた方法をこっそりお教えします。

一つ一つの作業は馴染みのものかと思いますが、少しの工夫の積み重ねで効果をあげられるかもしれません。ぜひ参考にされてください。

▶この記事を書いた人:内資系大手製薬企業所属 基幹病院担当MR 20代

※メーカーによっては、記事に記載している内容について実施ができない場合もあるかと思います。実践される前に、所属先のルールをご確認ください。


事前のご案内は、相手に合わせて丁寧に

皆さんは普段どのように医師にWeb講演会をご案内していますか?

この種の活動は一方的なコミュニケーションになりがちですが、ここではご案内時の工夫として「お手紙」「Eメール」「面談」「その他」の4つに分けて紹介していきます。

お手紙は、封筒で要点をコンパクトに記載

まだメールなどの接点を持てていない先生には、勤務先病院へお手紙を送りましょう。

参考として、私が実際に行った際には投函数の1割程度が視聴につながりました。たかが1割、されど1割。講演会をきっかけに定期的な情報提供活動につなげることもできます。

お手紙でのポイントは、封筒です。

医師宛の郵送物は、受付や事務などを担当される方が選別してから医師に手渡す場合と、医師本人がメールボックスを確認する場合の2パターンがあると思います。

最初に郵便物を見る人が誰であれ、日々大量に送られてくるダイレクトメールや重要書類の中から「業務上必要な情報がありそうだ」と判断してもらわなければ先に進みません。

そのため、封筒には要点をコンパクトに記載し、開封して中身を確認しようと思ってもらう工夫が必要です。

例えば、「腎性貧血に関するWeb講演会のご案内」など、対象疾患や講演会テーマに関連するものを一言で添えてみましょう。

Eメールでは、相手のPCスキルにも配慮を

既にメールを受信いただける関係性の先生は大事にしたいところですが、どれだけ丁寧なメールを送ろうとも、受信ボックスで埋もれてしまっては情報が伝わりません。

やはりここでも第一関門は開封、つまりメール件名が重要です。先に書いたお手紙の封筒のように関心を引く文言を意識的に加えましょう。

メール開封後は、視聴登録につながるURLに確実に進んでいただけるような工夫が必要です。

私は講演概要を本文内の文章で紹介するだけでなく、講演会のパンフレットをPDF形式で添付していました。これにより、詳細な講演会情報を伝えることができます。

また「視聴したかったけど案内状のURLがクリックできなかった」というようなトラブルにも配慮し、メール本文にも視聴登録URLを記載しました。

担当医師にPC操作が苦手な方がいらっしゃる場合は特に、よりやさしいご案内を心掛けましょう。

面談では、次につながるヒアリングを心掛ける

ところで、MRの皆さんは面談をする先生と講演医師の関係性はチェックしていますか?

私は講演会ご案内の事前準備として、先生の出身大学や留学先などを確認し、Web講演会の演者と関係がありそうかは必ず確認します。

関係性が見つかればご案内のアイスブレークに使えますが、もし接点が見つけられなくても問題ありません。

講演会のご案内をきっかけに丁寧に対話をすれば、今回がダメでも次につながる情報が得られるかもしれません。

質問のポイントは「ご興味」「ご都合」「ご紹介」の3点です。一つずつ見ていきましょう。

「ご興味はいかがでしょうか?」

私はWeb講演会を紹介する際には、講演のご案内だけでは終わらせず、先生は現在どんなことに関心があるのかにも話題を広げるよう意識しています。

講演会に【興味がある】場合、具体的にどんな部分に関心があるのかを尋ねることで、先生のご専門や勉強したいテーマを掴むことができます。

一方で【興味がない】場合は、他にどのような内容であれば関心があるかを確認します。例えば、「先生のご要望・ご関心に沿ったご案内をしたいのですが、どのような内容であればご視聴頂けますか?」などと聞いてみましょう。

「ご都合はいかがでしょうか?」

スケジュールが空いていて視聴が可能な場合は、講演会の事前登録をご依頼しましょう。

直近の講演会開催日に関わらず、先生がお手すきになりやすい曜日や時間帯までお尋ねできれば、講演会前のリマインドや今後面談が調整しやすいタイミングも把握できるようになります。

「この講演会をお役立ていただけそうな先生がいればご紹介いただけませんか?」

面談できる関係にある先生であれば、もう一押し甘えてみましょう。

この質問によって、講演会テーマに関する同病院内のご専門の先生や、先生同士の繋がりがわかるため、今後の活動ターゲット医師選定の参考にできます。

また先生同士のご紹介なら、面識がない先生にもアポイントもとりやすくなるのでアクセスを広げることができます。

ご案内の際に紹介元の先生のお名前をお借りしてもいいかも忘れず確認してくださいね。

その他、ご案内のヒント

所属会社の本部や関連会社経由からのご案内も可能な場合があります。先輩や上司にそのようなルートがないか聞いてみましょう。

また、卸さんも講演会についても有力なパートナーになり得ます。取引のある病院薬剤部やクリニックなどへのご案内を依頼できるかもしれません。

さらに、担当している病院や診療科に秘書さんがいる場合には、こちらも当たってみましょう。事前に診療科の部長先生などから秘書さん経由でご案内可能か確認を取ると、「〇〇先生から許可を頂いているので」などと、よりスムーズにご依頼できそうです。

そのような先生の許可などがない場合も、所属の先生に利益がある内容であることが伝わるように丁寧にご依頼してみましょう。

講演会本番前のリマインドも忘れずに

せっかく事前登録まで進んでも、当日に講演会の存在を忘れてしまったり、アクセスすべきURLがわからず視聴を諦めてしまうケースもありますので、フォローが必要です。

まずは事前準備として、事前登録後の登録御礼メールに本番が近くなったらリマインドする旨を書き添えておきましょう。

私は当日にリマインドを行いましたが、開催曜日など状況によっては前日に行うのもよいかもしれませんね。

一斉リマインドはメールが基本

私は是非ご視聴いただきたい先生や関係性が良好な先生には、お電話でご案内しました。やはり電話で直接リマインドされると、先生の意識に残りやすいと感じます。

一方で、基本的にはリマインドの主な手段はEメールです。メールには以下のような要素を含めましょう。

  • ご案内状
  • 視聴リンク
  • 当日不具合が生じた際の緊急問い合わせ先


今回は「現役MRが教える Web講演会の視聴数アップのアイディア」というテーマで活動の提案を書かせて頂きました。最後まで読んでいただき有難うございました。

皆さんの企画するWeb講演会で、視聴医師を増やすことに少しでも貢献できれば幸いです。

MR_writers

現役MRライター

▶この記事を書いた人:内資系大手製薬企業所属 基幹病院担当MR 20代

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