MRの皆さんは、Web講演会の企画をしたことはありますか?
もちろん会社の本部が企画するものもありますが、同僚がやっている姿を見て「自分も!」と思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、初めてWeb講演会を企画される方に向けて、現役MRが企画段階でするべきことをご紹介します。ぜひ参考にされてください。
▶この記事を書いた人:内資系大手製薬企業所属 基幹病院担当MR 20代 ※メーカーによっては、記事に記載している内容について実施ができない場合もあるかと思います。実践される前に、所属先のルールをご確認ください。 |
まずは医師へのニーズ調査を
「どんな講演会をするのがいいか…」悩み始めると早速つまずいてしまいそうです。
ここは自分でひねりだそうとせずに、視聴医師・講演医師それぞれにニーズを調査してみましょう。
日頃から他のWeb講演会をご案内する際に「どのような内容であれば視聴頂けるのか」や「講演したいことや発信したい研究内容などはないか」を尋ねるようにしておくと、企画時の参考になります。
このような情報をもとに企画を進めていきましょう。
医師のニーズと営業課題を考慮してテーマを決める
ニーズをすべて満たす講演会を開催することは、予算などの面から正直難しいですよね。
頂いたニーズや案の中で、会社や自分のエリアにとって費用対効果が見込めるもの・トレンドとなる内容を中心にテーマを選定しましょう。
例えば、会社として「若手医師への情報提供に注力する」という方針がある場合、ニーズ調査の段階で若手医師が共通して求めるテーマがあれば、実現しやすいかもしれません。
また自社製剤に関する疾患のガイドラインが変わるタイミングなどは、新しいガイドラインに付随するテーマで講演会を行うと注目度も高まりそうです。
以上のことを考慮して、上司と相談しながらテーマを決定しましょう。
どんな講演会になる?イメージを固めよう
テーマが決まったら実際どんな講演会になるかを整理します。ここが固まると、スケジュール・準備物・実行にあたり協力を募るべき社内・社外の関係者も決まってきます。
形式を決める
例えば、Web講演会を1時間に設定する場合、1演題にするのか2演題にするのかなど、まずは形式を決めましょう。
役割者を決める
ニーズを実際に聞き取った先生に「先生からご教示を頂いた内容で企画したいのですが、座長/演者をお願いできますか?」とまず依頼してみましょう。
ご承諾頂いた場合に他の役割者についても相談し、各先生に依頼しましょう。
開催日を決める
座長や演者などの役割者に都合の良い日程を聞き取りましょう。準備や案内もあるので、開催日は企画開始から早くても3か月以上先に設定するのがよさそうです。
配信方法を決める
外部に委託する場合は実績のある会社などから選定しましょう。Zoom、MicrosoftTeams、Webexなど社内で導入済のツールを利用する場合は利用方法を確認しておきましょう。
本番まで2か月を切ったらしっかり準備を
「Web講演会の開催に向けて、実際に何を準備していけばいいの?」という方向けに、事前準備の段取りもご紹介します。
ここでは、講演会当日に対して1か月以上前・1週間以上前・当日までの3つに分けてご紹介します。
【1か月以上前】に行うこと
まず講演会1か月以上前のやることリストです。この準備が遅れてしまうと直前までドタバタになってしまうので、余裕をもって進めましょう。
・配信会場の決定と予約
役割者の施設やご自宅の場所に合わせて配信会場を選定します。予約の際には会場のWifiや有線などの回線の確認・会場のレイアウトも確認しましょう。
また感染症の状況などにもよりますが、Web配信と並行しての現地開催も選択肢としてもっておくといいでしょう。私の経験上、現地開催のほうが個人視聴より先生が集まりやすい傾向があります。聴講人数を増やしつつ、その場でMRとの会話も生まれやすいので現地とWebの同時開催はおススメです。
・社内向けの書類作成と提出
会社により申請書類が異なります。上司の指示に従い、期日までに提出しましょう。
・ご案内状作成
作成にあたっては、事前に講演者から講演会のタイトルや内容のサマリをいただいておく必要があります。ご案内状ができたら社内のコンプライアンス部門の確認を通した上で医師向けのご案内を始めましょう。
ご案内活動についてはこちらの記事で詳しく書いています。併せてご覧くださいね。
▶【コラム】現役MRが教える Web講演会の視聴数アップのアイディア
・関係社員の役割分担決め
当日は座長や演者対応、製品紹介、アナウンスなどやることが多くあります。社員の役割分担を決めて早めにスケジュールを押さえておきましょう。
【1週間以上前】に行うこと
続いて講演会1週間以上前に行うことを紹介します。ご案内活動と並行しながらの準備で大変かとおもいますが、抜け漏れがないよう丁寧に準備しましょう。
・ご略歴の確認
各役割者にお尋ねしておきます。特に演者のご略歴は、事前に座長の先生に共有しましょう。
・講演スライドの確認
演者より当日利用する講演スライドを受け取り、適応外や他社誹謗の内容がないか確認します。
・ご講演前後に利用するスライドの準備
Web講演会は演者による講演本編以外に、以下のようなスライドが必要です。あらかじめ企画者で準備しましょう。
- 講演開始までしばらくお待ちください
- 質疑応答方法
- ご視聴下さり有難うございました
- DI(Drug Information)など適正使用推進
- 役割者のご略歴
・進行台本の作成
役割者によるコメントのタイミングや司会進行のセリフなどを含めて作成しましょう。これがあると講演会を円滑に進められます。
・タクシーとチケットの手配
先生によってはタクシー会社などにも指定がある場合があります。あらかじめ確認しておくとスムーズです。
・配信PCについての確認
演者が自身のPCを持ち込んで講演するのか否かを確認しましょう。会社備品のPCを使用する場合にはUSBかメールなどで事前にもらえるのかも確認します。
【当日まで】に行うこと
最後に講演会当日までに行うべきことは以下になります。いよいよ本番に向けて準備も最終段階です。
・配信に必要な機材準備
配信形式や役割者の人数に合わせてマイク、カメラ、スピーカー、プロジェクターなどを準備します。
会社の備品を使う、会場から借りる、配信会社に任せるなどのパターンがあると思います。特に会社の備品を利用する際には企画者自身で不具合がないかよく確認しましょう。
・当日に役割者にお渡しする資料の準備
私は以下を事前に封筒にまとめておき、当日お渡ししました。
- 案内状
- 進行台本
- 役割者のご略歴情報
- 製品情報のチラシやボールペンなど
・役割者のお飲み物やお弁当の購入
役割者のアレルギーや食の好みも考慮しつつ、規定の予算内で用意します。
・感染対策のアクリル板やアルコール消毒を用意
こちらも会社の備品を利用したり、会場のものを借りるパターンがあるかと思います。当日になって慌てることがないよう確認しておきましょう。
今回は「現役MRが教える Web講演会の企画と段取り」というテーマで書かせて頂きました。最後まで読んでいただき有難うございました。
これがすべてではないかもしれませんが、初めてWeb講演会を企画される方のご参考になれば幸いです。