10年前どんな薬が登場したかご存じでしょうか。本記事ではM3DCのメディカルライターがその知見を活かし、最近の医薬品・疾患関連情報を合わせて簡単にまとめました。
薬の歴史を知ることで、いつも目にする薬の違った一面が見えてくるかもしれません。明日からの会話のきっかけにご活用ください。
第1回目はアルツハイマー型認知症治療薬を取り上げます。
治療の選択肢が広がった2011年
当時アルツハイマー型認知症では1999年登場の「アリセプト」が唯一の治療薬でしたが、2011年は新たに3成分が加わり治療選択肢が大きく広がりました。
2011年に薬価収載されたアルツハイマー病治療薬は以下の通りです。
10年で市場一新、GE参入も
2010年、2020年の売上高(推定含む)を見てみると、市場の顔ぶれはほぼ一新されたといっても良いほどに様変わりしています。
2011年にアリセプトのジェネリック医薬品(GE)が登場して以降、GEの参入はありませんでしたが、2020年にはメマリー、レミニール、イクセロン/リバスタッチのGEが発売されました。
患者数は増加続く見込み
2025年の認知症患者は推定730万人
平成29年版高齢社会白書によると、2012年は認知症高齢者数が462万人と、65歳以上の高齢者の約7人に1人(有病率15.0%)でしたが、各年齢の認知症有病率が上昇(将来の糖尿病の頻度が20%上昇すると仮定)した場合、2025年には730万人、約5人に1人になるとの推計もあります。
10年ぶりの新薬が米国で承認
このように認知症患者数は増加傾向が続く一方で、アルツハイマー型認知症治療薬の開発も活発に行われており、多くの新薬候補が開発されています。
2021年6月には、脳内のアミロイドβプラークを減少させることにより、アルツハイマー型認知症の病理に作用する治療薬として、ADUHELM™(アデュカヌマブ)が米国食品医薬品局(FDA)により迅速承認されました。
日本においては、2020年12月に厚労省へ新薬承認(J-NDA)を申請しており、今後の新薬開発の動きから目が離せません。
印象に残る周年イベントを
発売前後、3年、5年、10周年という節目のイベントは、医療従事者や患者さんなどすべてのステークホルダーに製品の価値を改めてお伝えする良い機会です。
製品ライフサイクルに合わせた特別な企画・演出等で盛り上げたいですね。
以下の参考動画では、製剤ライフサイクルに合わせたWeb講演会企画の例もご紹介しています。