10年前どんな薬が登場したかご存じでしょうか。本記事ではM3DCのメディカルライターがその知見を活かし、最近の医薬品・疾患関連情報を合わせて簡単にまとめました。
薬の歴史を知ることで、いつも目にする薬の違った一面が見えてくるかもしれません。明日からの会話のきっかけにご活用ください。
第2回目は骨粗鬆症治療薬を取り上げます。
10年前に薬価収載された骨粗鬆症治療薬は?
2011年に薬価収載の骨粗鬆症治療薬は以下の通りです。
3製剤について承認されました。それぞれについてご紹介します。
① エディロール : ビタミンD3製剤内で現在では高い市場シェア
エディロールは既存の活性型ビタミンD3製剤と比較して、3年間の新規椎体骨折の発生頻度を統計学的に有意に低下させるなど、優れた骨折抑制効果のエビデンスを持つことから、以下のように現在では高い市場シェアを占めています。
② リカルボン / ボノテオ : 初の4週1回投与製剤が登場
当時、ビスホスホネート製剤は週1回投与の薬剤が主流でしたが、2011年は初の4週1回投与である「リカルボン錠50mg/ボノテオ錠50mg」が発売されました。
③ テリボン : ヒト副甲状腺ホルモン(PTH)製剤は投与期間に注意
2010年にフォルテオ(テリパラチド(遺伝子組み換え))、2011年にテリボン(テリパラチド酢酸塩)、2019年には簡便に投与が可能なテリボンのオートインジェクターが登場して、現在PTH製剤は以下の3製剤が販売されています。
PTH製剤は、ラットにおけるがん原性試験において、投与量及び投与期間に依存した骨肉腫を含む骨腫瘍性病変の発生頻度の増加がみられています。
そのため、いずれの製剤も投与期間の上限は「24ヵ月」と決められており、添付文書にも以下のように記載されています。
- 一時中断したのちに再投与する場合であっても、投与週数の合計が24ヵ月を超えないこと
- 24ヵ月の投与終了後、再度24ヵ月の投与を繰り返さないこと
このことから、投与にあたっては過去の治療歴を含めた確認が必要です。
新たなPTH製剤が承認、既存薬との違いに注目
2021年3月には、新たなPTH製剤である「オスタバロ皮下注カートリッジ3mg」(一般名:アバロパラチド酢酸塩)が製造販売承認を取得しました。
ヒト副甲状腺ホルモン関連タンパク質(PTH related protein : PTHrP)のN末端から34個のアミノ酸配列のうち、一部を改変したポリペプチドであり、骨代謝に関わる副甲状腺ホルモン1型受容体を選択的に刺激する作用をもちます。
新医薬品の処方日数制限に対応する製剤を開発中のため、現時点では上市時期は未定とのことですが、既存のPTH製剤との違いが注目されそうです。
印象に残る周年イベントを
発売前後、3年、5年、10周年という節目のイベントは、医療従事者や患者さんなどすべてのステークホルダーに製品の価値を改めてお伝えする良い機会です。
製品ライフサイクルに合わせた特別な企画・演出等で盛り上げたいですね。
以下の参考動画では、製剤ライフサイクルに合わせたWeb講演会企画の例もご紹介しています。