ライフサイエンス業界に特化したクラウドソリューションを提供するVeevaは、製薬業界での導入率も高く利用されている方も多くいらっしゃるでしょう。同社では、2019年にコンサルティング事業をスタートさせ、現在は多くの製薬企業向けに展開されています。Pharma Marketing Day 2022 では、コンサルティングサービスで解決した課題とその知見について紹介しました。

本記事は2022年10月5日開催「Pharma Marketing Day 2022 presented byデジぽち」のセミナーセッションを記事にしています。内容は当時のものとなりますのでご了承ください。
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登壇者
Veeva Japan 株式会社
Principal Business Consultant
関 博一

 

インタラクションのデータで見るデジタルコミュニケーションの変化

まず最初に提示されたデータは「Veeva Pulse」 というVeeva CRMを導入する企業の利用状況を集計したもので、Approved Email(※Veeva社が提供するCRMソリューションの一部機能)の送信数と開封率の推移と、オンライン面談の実施数と平均面談時間の推移を表したグラフです。デジタルチャネルの活用がコロナ後に加速し、質を維持しながら引き続き増加傾向にあることが示されました。

また、オンライン面談については、講師を務めた関氏によると「Face to Faceの面談とオンライン面談とでは、オンライン面談の方が3倍のインパクトを与えていることが読み取れます。 オンラインの場合、通常の面談と比べて内容をフォーカスしている上に時間も30から40分と長い時間を取ることができますし、受ける側も良い体験をしたと印象に残っているといえます」とのこと。

昨今の製薬企業においては、どのようなチャネルミックスを目指すべきか模索していると関氏は語ります。

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「6つのright」を実現するためのオムニチャネルマーケティングと5つのステージ

関氏によると、オムニチャネルマーケティングとは「6つのRight」を実現すること。すなわち「正しい顧客に、正しいメッセージを、正しい頻度で・チャネルで届ける」ことで、それを可能にするための組織体制、KPI、継続的に改善を促す仕組みが備わっていることを意味しているそうです。

さらに、「6つのRight」を構造化していく過程においても5つのステージがあると解説します。

 

5つのステージ

  1. Face to Faceのみ
  2. 単発的にEメールやWebなどのデジタルチャネルを活用
  3. 複数のチャネルが組み合わさり整合性の取れた状態
  4. 顧客体験を中心に据えコーディネートされたエンゲージメント
  5. 顧客毎に個別化し自動化された世界

「このステージを見て頂くと、段々と複雑化していくのがお分かり頂けるかなと思います。1人のMRさんの頭の中で考えるには限界があると考えています」と関氏。ここで複雑化されたものをいかにマネージするか、という視点でのアプローチ方法が紹介されました。

Veevaでは、統計的な分析とビジネスインプットを組み合わせるリソース配分の最適化のアプローチを推奨しています。関氏によると、「リソース配分はパフォーマンスに直結する非常に重要な意思決定、その根拠として過去の統計的な分析に基づいた傾向というものというものが必要になる。同時に、ビジネス戦略に基づく今後目指すべき姿や組織状況や実行可能性なども考慮する必要がある。」とのことです。

 

リソース配分最適化のアプローチ

ここで、実際のプロジェクト事例を基にリソース配分最適化のアプローチについて紹介されました。同プロジェクトでは、6つのステップでターゲットドクターごとにチャネル活動計画を策定する仕組みを構築しています。

 

6つのステップ

  1. データの整理
  2. 施設レベルでのレスポンスモデリング
  3. 施設レベルでのリソース配分最適化
  4. 施設レベルから医療従事者レベルへの変換
  5. スケジュール化
  6. 最適化された活動配分計画の登録

一度この構造を作ってしまえば、更新されたデータやビジネスインプットを反映することによりターゲットドクターごとに推奨されるコンタクトの回数や順番を自動的に抽出するなど、企業側で運用できるようになります。このように比較的簡易なモデルを作ることが、標準のアプローチとしては扱いやすいのではないか、と言います。

さらに、オムニチャネルを実現するためにはプランニングの仕組みに加えて、オペレーティングモデルを刷新することが必要となります。

オムニチャネルはシームレスな顧客体験ですので、チーム間でコラボレーションしていく仕組みも必要ですし、データを一元管理・統合することも必要となります。その上、コンテンツを効率的に共有する仕組みも求められます。

「それらを実現するためにテクノロジー、プラットフォーム、ツールなどの仕組みも統合されたものに進化させていくことが必要」と関氏は解説します。即ち、企業間での競争力を左右するのは、オペレーティングモデルがいかに組織として作り上げられ、磨きあげられていくか?によって差が出ると言えます。

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オムニチャネルに取り組むために重要なこと

オムニチャネルのコミュニケーションは、その必要性を感じているものの「何から始めるべきか」「運用方法がわからない」と中々一歩踏み出せずにいる企業も多くいらっしゃいます。

無理なく効果的に運用するためにも理解しやすいところから着手することはもちろんのこと、専門知識を持つプロフェッショナルに相談してみることで解決への糸口を見つけることができるのではないでしょうか。

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本記事は2022年10月5日開催「Pharma Marketing Day 2022 presented byデジぽち」のセミナーセッションを記事にしています。内容は当時のものとなりますのでご了承ください。
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