【トレンド】疾患啓発まとめ~生活習慣病編1~

学会や医療団体が行っている疾患啓発は数多くあり、それに合わせて施策を行う企業も多いのではないでしょうか。

本シリーズでは、さまざまな疾患啓発イベントを分野別にご紹介します。
今回は生活習慣病の予防に関連した啓発イベントについて取り上げます。

生活習慣病に関連する啓発カレンダー

1月23日 一無二少三多の日
2月 全国生活習慣病予防月間
3月4日 World Obesity Day
3月9日~15日 心房細動週間
5月17日 世界高血圧デー(高血圧の日)
5月31日 世界禁煙デー
10月 脳卒中月間
10月29日 世界脳卒中デー
11月14日 世界糖尿病デー
毎月17日 減塩の日
毎月22日 禁煙の日

 

一無二少三多の日&全国生活習慣病予防月間

日本生活習慣病協会が生活習慣病予防に対する国民の意識向上と健康寿命の伸長を目指して2011年から行っている活動です。

元は厚生労働省が2009年2月(平成20年度)まで行っていた生活習慣病予防週間で、「一無、二少、三多」の語呂から1月23日を一無二少三多の日、翌月を全国生活習慣病予防月間としています。

近年の主な活動

毎年、「一無、二少、三多」のいずれかをメインテーマとして掲げています。
一無二少三多とは、以下のような日常心掛けたい生活習慣を示したものです。

  • 一無(いちむ):無煙・禁煙のすすめ
  • 二少(にしょう):少食・少酒のすすめ
  • 三多(さんた):多動・多休・多接のすすめ

2023年は「一無(無煙・禁煙): たばこは万病のもと!~あなたと地球の健康のために禁煙を~」がテーマです。
例年、以下のような活動を行っています。

  • スローガン川柳の募集
  • ポスターやリーフレットによる啓蒙活動
  • 市民公開講座

禁煙の日

禁煙推進学術ネットワークが2010年に喫煙の害や禁煙の重要性に関する知識を普及・啓発し、受動喫煙防止のための社会的な禁煙推進を目的に毎月22日を禁煙の日と制定しました。
禁煙推進学術ネットワークには、2022年4月時点で32学会が参加しています。

近年の主な活動

禁煙推進学術ネットワークに参加している学会は協力して、以下のような活動を行っています。

  1. 国内の学会(医科系・歯科系)間の喫煙・禁煙に関する情報交換・情報共有
  2. 喫煙関連疾患の予防・治療ならびに禁煙治療に関する活動
  3. 受動喫煙防止のための社会活動
  4. 一般の方への喫煙の害・禁煙に関する知識の普及啓発・「禁煙の日」の活動
  5. J-ROAD(循環器疾患診療実態調査)研究の実施(2019年~)
  6. 政府・各省庁・地方自治体・公共機関などへの禁煙推進における要望活動など

「禁煙の日」の具体的な疾患啓発活動(上記4)は以下のとおりです。

  • 行政や病院や学校、企業などへのポスター・パンフレットなどの配布
  • 受動喫煙防止の取り組みとしてシンボルマークの普及活動

加えて2022年9月に開催された第4回禁煙推進学術ネットワーク学術会議では、市民参加イベントとして禁煙啓発にまつわる講演や、企業と医師が討議するイベントがハイブリッド形式で開催されました。

※J-ROAD(循環器疾患診療実態調査):日本循環器学会が行っている全国的な循環器診療の実態調査によるデータベース構築のこと。得られたデータに基づいて、医療の質を向上するのに必要な情報を循環器学会員へ発信し、循環器診療の質を向上させるための基本的な資料とすることを目的としています。

World Obesity Day

世界肥満連合により、人々が健康的な体重を達成・維持し、実践的な行動を喚起・支援することを目的に制定されました。
2015年に制定され、2020年から現在の3月4日となりました。

近年の主な活動

2023年のテーマは「Changing Perspectives: Let’s Talk About Obesity」です。
専用ウェブサイトで肥満に対する誤解を正し、その複雑さを認識し、効果的な集団行動を起こすために、イベントやワークショップなどを行う予定です。

例年テーマに沿ったさまざまな啓発イベントが世界各地で行われていますが、日本ではこの日にちなんだ積極的な活動報告は多くありません。

 

今回ご紹介した啓発活動の多くは生活習慣に着目しているため、なじみがないものもあったかもしれません。

ぜひ患者さんの生活指導をされる先生方とのコミュニケーションなどにお役立てください。

 

writer

M3DCメディカルライターチーム

コンテンツ制作における文献調査や原稿執筆、学術チェックなどを行う。本サイトでは製薬業界や医薬品関連情報、その他お役立ち情報を発信。