ヘルステック分野の変遷や課題、展望について、最前線で活躍する企業と対談するデジぽちの新コーナー「デジタル医療革命」。2回目のゲストは株式会社JMDC COO杉田 玲夢様にお話を伺います。
インタビュアーはMonthlyミクス編集長 沼田 佳之様です。
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【トレンド】国内2,000万人分の医療データを活用~JMDC杉田COOインタビュー【1/3】~
JMDCが描く未来像 臨床試験のDX化と価値あるデータで医療に貢献
沼田 先日、国の骨太方針もまとまってきました。まさにリアルワールドデータの利活用を含めたDX化を医療分野でも進め、 診療報酬にも反映していきましょう、といった流れができつつあるようです。
その総元になるような地域医療のデータをかなり分析することによって医療機関の経営はもちろん、患者さんに対する医療サービスの質、最終的にはアウトカムも良くなってくるとのお話を伺うことができました。
概念的にビッグデータ・リアルワールドデータを活用していく流れはまさに、今日のテーマ「JMDCが描く未来像」でもあります。未来像という形でビッグデータ・リアルワールドデータを活用した医療の未来像を考えていく時に、まずは直近の話でお尋ねします。
2025年で高齢化のピークが来るといわれていますが、まず直面する課題に対して何かJMDCとして今おっしゃられたような内容を施策に反映させていくような取り組みはございますか?

杉田 20年ほど経営していく中で、15年ほどはデータを取り続ける状況が続いていましたが、ここ3年で取り組みが大きく変わってきています。
取り組みとしては2つありますね。
1つは先ほども申し上げた臨床試験のDXに関する所で、今マニュアルのオペレーションが行われていて非効率が大きい領域だと感じており、そこで弊社が持っているデータのほか、臨床試験関連のシステムやソフトウェアを活用することによって効率化していくことは非常に重要だと思います。
このままいくと、「日本の臨床試験には、お金も期間もかかるからアジアでやるときは日本ではやめよう」と海外からは見られてしまい、日本にとって負の方向に行ってしまう可能性があります。そこを改善するのは意義のあることではないかと思います。
働きながら疾患と共に生きていけるような社会へ
2つ目はいわゆるアウトカムのデータです。弊社が持っているレセプトは、処方されているお薬や病名のデータはありますが、その結果として癌がどのぐらい縮小したか、血液検査ではどれぐらい改善したか、といった値はまだありません。
これらは患者さんはもちろん、病院や製薬会社にとっても確実に必要となる情報なので、いま急ピッチで収集しています。3年もあれば、かなり価値の高いデータになるのではと予測しています。
沼田 そうなると、未来の姿として、患者さんが癌になって治療すると、腫瘍をある程度抑えつつ職場復帰や日常生活が問題なく送れるまでを追跡するようなデータになれば社会へのインパクトも大きくなるという期待も高まります。
加えて日本の人口が減少している背景も踏まえると、労働生産性を確保していくためのデータでもあると国に対する説得力も発揮できますし、医療界にとっても、ますます重要になってくると思いますが、いかがですか?
杉田 おっしゃる通りで、レセプトのデータだけだと、やはりプロセスのデータでしかない所は否めません。そこへアウトカムのデータを掛け合わせることによって、「こういうアプローチをするとこのような結果になる、だからこれらの対策を行う」といったフィードバックを行うことができるようになります。
弊社も健保側としてプレゼンティズムやアブセンティズムに関するところにも取り組んでいるので、健康に不安を抱える方、将来に何らかを発症する可能性のあるハイリスクな方々が、少しでも健康に過ごせ、時には働きながら疾患と共に生きていけるような社会をつくっていきたいと思っています。
データベンダーからソリューションカンパニーへの変革に向けて

沼田 今回は製薬企業や関連の方が、多くご覧いただいていると思います。製薬会社の方とタイアップできるような戦略や、ソリューションについてはいかがですか?
杉田 弊社の戦略の方向性を2つ申し上げますと、1つは今持っているデータのソースを圧倒的に増やしていくことです。違ったデータベースを掛け合わせていくことによって、異なる価値が生まれます。
例えば今は健保のデータ、 医療機関のデータ 、調剤の値段に至るまで情報があります。 それらに対し、病院の電子カルテのデータ、血液検査や画像検査の結果のデータを組み合わせてみたり、遺伝子のデータや、データベースとM&Aなどの業務提携を通じて、さらに掛け合わせていくことが1つです。

2つ目は弊社が長らくデータベンダーとして一般には認識いただいていてデータをひたすら収集する・提供することを行っていましたが、提供先の方々も忙しかったり、なかなかデータを分析できる専門家がおらず、分析が進まなかったりするケースもあります。
このような状況はデータの価値を最大限生かしていただけていないともいえます。 弊社としてはそこも一緒に進めていこうとしていて、例えばコンサルティングの立場でソリューション提供をしながら入っていくほか、一緒に新しい新規事業を作って何らかの業務の効率化や、精緻化をすることを進めております。
そのような意味でJMDCは今、データベンダーからソリューションカンパニーへの変革の時期でもあります。
沼田 本当にJMDC自体が非常に数年間で変化を遂げてきていますね。かなり前のJMDCも私は知っているのですが、今とても変化をされていると感じています。
杉田さん自身もドクターでいらっしゃる上、スタートアップも手がけられているので、説得力のあるお話だと思いながら伺いました。 今回のテーマであるデジタル革命のまさに根幹であるデータをしっかりと築き上げていくことで今後もご活躍頂ければと思います。
本日は株式会社JMDCのCOO杉田玲夢さんをお招きしてデジタル医療革命の第二回をお届けしてまいりました。本日はどうもありがとうございました。
杉田 ありがとうございました。
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【トレンド】国内2,000万人分の医療データを活用~JMDC杉田COOインタビュー【1/3】~
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